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1.コアエクササイズとの出会い

【目次】
1.コアエクササイズとの出会い
2.解剖学的な解説
3.実践コアスタビライゼーション(前編)
4.実践コアスタビライゼーション(後編)
5.コアスタビライゼーションと腰痛
6.コアスタビライゼーションとピラティス
7.腰痛緩和のためのエクササイズ
8.ソフトボールのためのコアスタビライゼーション
9.バスケットボールのためのコアスタビライゼーション
10.南カリフォルニアのトレーニング

■お断り:これは「トレーニングジャーナル」2003年10月号から10回にわたって連載された論文を著者(稲葉晃子氏)および出版社(ブックハウス・エイチディ)の許諾を得て転載するものです。



■ウエィトトレーニングだけでは

私が現在勤めているロサンゼルス郊外にあるMt. San Antonio Collegeで、昨年の5月から10月まで女子バスケットボール部のオフシーズンのトレーニング指導を任された。前年度のシーズン中、スターティングメンバーのガード達が3人も続けて前十字靭帯を切ってしまったため、カリフォルニア州での優勝を逃してしまったことが、この期間トレーニング指導を任された理由であった。このチームの平均年齢は19.5歳で平均身長が170.5cm、日本で言えば、東京や大阪の短大の中でトップ3に入るぐらいのチームであろうか。決してUCLAのようなエリート集団ではない。その選手たちのウエィト開始時の最大筋力(MAX)測定時に、私ははっとさせられた。初めてバーベルを持った選手たちがほとんどなのに、開始時からMAXが日本人の同年代の女子アスリートと比較して優れているののではないかという事に気付いた。もって生まれたものの違いなのだろうか。それとも、日本とアメリカの環境の違いからだろうか。大学時代に幾つかの文献を読み、また、筋力測定に携わった事もあったが、このようなトレーニング未経験者の測定結果(表1)に触れた事は初めての経験だった。以前から体力差があるとは言われてはいたが、改めて、体力の違いをひしひしと感じさせられたのである。スタートが違うのだから、アメリカ人選手と同じトレーニングを日本人選手が行っても、筋力はいつまでたってもアメリカ人を越せないのではという考えが頭に過ぎったのである。 “ウエイトトレーニングにより筋力を世界レベルに上げれば勝てる”という私が過去に行ってきた指導法に対して大きな疑問の目を持ち始めた。





■世界のトレーニング事情

私が初めてキューバ女子バレーボールナショナルチームのウエイトトレーニングを見たのは、1989年だった。当時、キューバチームは“ゴムマリ軍団”と呼ばれ、とにかくジャンプ力に優れて無敵を誇っていた。ミレーア・ルイスを筆頭に垂直跳びで1m近く跳べる選手が大勢いた。そのような選手たちのウエイトトレーニングは本当に驚くばかりのものであった事を今でもよく覚えている。1時間半くらいのトレーニングだったが、実に熱心で、迫力さえ感じた。メニューとしてはフリーウエイトで、今、トレーナーとして思う事は、あれほどバレーボールのパフォーマンスに直結したウエイトトレーニングは無かったということである。プッシュプレスのようなもの(オーバーハンドパスのような形)を40kgの負荷でジャンプしながら30~40回連続で5セットぐらい行っていたことがとても印象的であった。 

これを見て、私は世界に勝つためにはもっとウエイトトレーニングを取り入れなければと、当時、世界でトップ3に残れなくなった全日本女子バレーボールチームの一員として強く感じた。ウエイトトレーニングで筋力アップしてもっと高く飛べなければ、世界では勝てないのだと。

 次に私が世界レベルのトレーニングに出会ったのは、1995年に全日本女子バレーボールチームのトレーナーとしてチームに携わった時である。当時まだ、カリフォルニア州立大学フラトン校の学生だった私だが、トレーニングに関して非常に興味を持っていたため、各国のトレーナーたちと多くの交流の場を持ち、積極的に世界のトレーニングの動向をつかもうと試みた。その中で、バルセロナオリンピック銀メダルのブラジルチームの監督と話す機会に恵まれた。監督が言われたことに、男子並みの筋力をつけるために、試合の後でも、ウエイトトレーニングの予定されている日は必ず行うと言うものであった。この監督は男子のブラジルナショナルチーム出身で、監督自らウエイトトレーニングを指揮するほど熱心であった。ブラジルチームは女子の世界では当時珍しいバックアタックを多用し、今でこそ頻繁に行われるジャンプサーブを得意としていたのである。まさしく男子のようなパフォーマンスで世界に無名だったブラジルチームを銀メダルへと導いた。当時の日本では、試合期にはウエイトトレーニングは行っていなかったので、この監督の話は衝撃的であった。

 それを受けて、何としてでも世界で勝つためには、ウエイトトレーニングをもっと頻繁に行わなければと考え、各企業チームから私が預かっている選手の筋力が少しでも全日本チームの解散時までにアップできるように、世界中の遠征先でウエイトトレーニングのできる施設を探した。海外遠征では宿泊するほとんどのホテルにウエイトトレーニングの施設があり、積極的にトレーニングを続けさせる事ができた。しかしながら、日本国内での遠征中にトレーニング施設を探す事が最も困難であった。せっかく施設はあっても、講習を受けなければ使用禁止などと言われたこともあった。日本はまだ世界に比べてスポーツに対してのインフラが整っていない事を痛感し始めたのもこの頃であった。



■世界で勝つためにはウエイト?

世界で勝つためには、もっともっとウエイトトレーニングをしなければ、できる環境をつくらなければと、私はウエイトトレーニングの研究にのめりこんでいった。1996年にアメリカに戻り、大学に復学し、とりわけ運動生理学に力を入れて勉強し、トレーナーとして実習先の大学の各チームコーチたちにトレーニングに関してよく話を聞き、意見を交換した。

そして、フラトン校を卒業後、Vリーグ女子バレーボールチームのトレーナーに就任し、それまで温めてきた構想と経験をもとに、世界に負けない筋力のチームを作り上げる事を目標とした。選手たちは実に真剣にウエイトトレーニングに取り組み、2年ぐらいで日本の女子バレーボールトップチームに負けないほど筋力を上げる事に成功できたのである。



■結果に疑問

しかし、やればやるほど、自分の中に多くの疑問が生じ始めてきた。①スクワットのMAXが35%ほども伸びているのに、ジャンプ力が5%ほどしか伸びていない。②ベンチプレスのMAXが30%も伸びているのにスパイクの力強さが感じられない。③大腿四頭筋の直径が8%も大きくなっているのにもかかわらず、肉離れを繰り返し起こす。筋力がアップし、体格も大きくなっているのにバレーボールのパフォーマンスにつながっていないのである。何かが違うのではと感じ始めていた。

こういった疑問は私だけだったのであろうか。私のように、ウエイトトレーニングを崇拝した指導者は今でも大勢いるのではないだろうか。ウエイトトレーニングをトレーニングの中心として行った事は決して間違いではなかったし、無駄ではなかったと思う。前述のバレーボールチームで、私が在籍した3年間で、バレーボールで多いと言われる膝、肩関節の損傷がそれぞれ、膝関節の損傷のための手術が1名、肩関節損傷のための手術ゼロ、と極めて少なく、障害予防という点ではウエイトトレーニングはかなり高い点がつけられた。“怪我をしない”ということも勝つためには大事な要素である。しかし、世界で勝つためにはそれ以上のものが要求される。故障もせず、ハイパフォーマンスにつながるトレーニングをいつしか捜し求めるようになったのである。



■コアトレーニングとの出会い

そういったトレーニングに関して完全に行き詰まった昨年の6月半ばに、前述の女子バスケットボールの監督から“コアトレーニング”を選手にやらせたいという申し出があった。“コアトレーニング”とは初耳であったので、まず、手始めに南カリフォルニア大学(シドニーオリンピックに42選手を輩出し、金:8、銀:3、銅:6メダルを獲得したスポーツの名門校)のコアトレーニングのセミナーに参加した。これだと直感した。私が長年疑問に思っていた回答をずばり、出してくれたのある。障害を予防し、且つ、パフォーマンスにつながるトレーニング理論だったのだ。“上肢と下肢を繋ぐ体幹を鍛える事により、上肢から下肢まで一本化して体を使う。” 従来のトレーニングのほとんどは部分的にしか鍛えていないのに対し、全身を一体化して鍛えるトレーニング理論は私にとって画期的であった。どのスポーツも下肢だけで行われないし、上肢だけでもない。右肩だけでもだめだし、大腿部だけでもない。それら全ての運動の中心に背骨(脊椎)がある。この背骨を中心に上肢、下肢を一体化して鍛えるトレーニングがコアスタビライゼーション、もしくは、スパイナルスタビライゼーションなのである(一部の人はコアトレーニングとも呼ぶ)。どんなにウエイトトレーニングをして脚筋力アップしても、ジャンプするという事は全身の運動であるということを私は忘れていたのである。



■プラス コアトレーニング

前述の女子バスケットボールチームのシーズンもいよいよとなった昨年の10月に、オフシーズン最後のMAX測定を行った。5月、8月と測定を繰り返し、大きな筋力アップは個人的には見られた選手がいたが、チーム全体としてはさほど大きな変化は見られなかった。しかし、10月の測定(表2)には驚く結果を得たのである。5月からチーム平均で30%近くも筋力アップができたのである。10月の記録的な筋力アップが出来た理由として、シーズンが近くなった事による精神的な高揚、また、ウエイトトレーニング、測定に対する慣れというものも当然考えられる。また、ウエイトトレーニング初心者に見られがちな筋神経伝達が大きく促進されたとも考えられる。しかし、もう一つに8月から導入したコアトレーニングが挙げられる。5月から10月までの期間、前半3ヶ月、後半3ヶ月に分け、同じ条件で、週に3回、1時間程度の主要筋のウエイトトレーニングを10回3セット、負荷だけをMAXの上昇に合わせて変化させた。唯一変えた条件といえば、後半の8月からは週に2回のコアトレーニングを、ウオームアップとして30分間取り入れたのである。そして、前半と後半3ヶ月の上昇率(表3)に大きな差が生じたのである。

ここで、日本の実業団バスケットボールチームのMAX(表2)と比較すると、6ヶ月間だけのウエイトトレーニングで日本チームを追い越しているのが分かる。もし、コアトレーニングがこの結果に影響せずに、アメリカ人選手が6ヶ月間で30%近くの筋力アップできたのであれば、アメリカ人選手と日本人選手の筋力差は、なお一層開いてしまうのではないか。しかし、もしコアトレーニングがこの結果に関与しているならば、短期間で筋力アップに繋がるコアトレーニングを導入することが、世界に負けない筋力作りへの近道ではなかろうか。もっと言えば、コアの強化によって全身をむだなく使い切ることが可能になり、小柄な日本人には不可欠なトレーニングにはならないだろうか。





■“ミュンヘン”のトレーニング

今年の春、ミュンヘンオリンピック金メダル監督の松平康隆氏とお会いする機会があり、昨今の男子バレーボール選手の体力についてお話を伺った。松平氏が言われるには、最近の選手はミュンヘンの時に比べて大きくなって力も強くなっている。しかし、今の選手のほとんどは倒立歩行ができないのだと。ミュンヘンの代表12人全員がバレーボールのコート一周を倒立歩行でき、バレーボールに必要な空中での身のこなしが非常に良かった。正確なデータに身のこなしというものが出せないのが残念だが、もし身のこなしが実践的に不可欠な事と考えると、身のこなし能力と世界で勝つということは比例しているのではないか。特筆する事に、ミュンヘンの時代にはウエイトトレーニングはほとんど存在しなかったのである。松平氏と斎藤勝トレーナーとで考案した独自のトレーニング法を行っており、その中の一つが倒立歩行であった。

倒立歩行とはコアスタビライゼーションの理論そのものなのである。下肢は上肢に比べ筋力的に強いので、背骨が安定しなくても、ふらついて倒れる事はないが、逆に、倒立などのように上肢で体重を支える場合、背骨の安定が保てず、立つことももちろん歩く事も不可能に近いのである。地面に着く手のひらからつま先までが一体化しないと逆立ちで歩く事は困難である。この場合、腕力がないからと思われがちであるが、ベンチプレスのMAXが100Kgある選手でも、背骨の安定がないと難しい。この倒立歩行に関して102名の日本の大学アスリート(サッカー、ハンドボール、陸上、バスケットボール、バレーボール等)を調査したところ、倒立歩行が出来るアスリートは3名のみであった。なぜできないのかという質問に対して、ほとんどの選手が今までやった事が無いという返答であった。

前述のミュンヘンの時代にはウエイトトレーニングの施設というものはまず、無く、バーベル等の器具も充分に無かったであろう。そういった中で、松平氏、斎藤氏は勝つために独自のトレーニング法を確立した。70年代のトレーニングは自体重を巧みに利用したトレーニングが非常に多くあった。倒立歩行、腕立て伏せ、手押し車など、今、これらのトレーニングに時間を費やしているチームはあまり無いと聞く。これらのトレーニングには実にみごとに、コアスタビライゼーションが反映されているのである。世界のスポーツは現在パワーの時代かもしれない。しかし、そのパワーに小柄な日本人が真っ向から勝負することは、得策ではない。日本人の体格にあった、身体能力を十二分に発揮できる独自のトレーニングが必要なのではないだろうか。



■腕立て伏せとベンチプレス

私の講習会での質問に、「腕立て伏せでは筋持久力が増すだけではないか?」と言われる方が多い。負荷は足の位置を上げる事により加重する事は可能で、そして何よりも、ベンチプレスに比べ、腕立て伏せは地面との接点が少ないことが、よりパフォーマンスに近いと考えている。ほとんどのスポーツは2本足で立ち、時には片足、時には空中での姿勢もある。そのようなパフォーマンスに、仰向けの姿勢で地面との接点の多いベンチプレスは筋肉(大胸筋を中心に)を大きく逞しくはするが、実践的ではない。

私は講習会で腕立て伏せの実験(Photo1)をよく行う。ベンチプレスのMAXが80Kg以上ある人と小柄な人にでてきてもらい、先ず、腕力のある人に腕立て伏せの姿勢になってもらう。次にその肩の上に小柄な人が腕立て伏せの姿勢になり、同時に腕立て伏せを行ってもらう。この実験で上まで上がってきた人は本当に少ない。理由は上半身と地面との接点であるつま先までを一体化できないからだ。せっかくウエイトトレーニングで鍛えた大胸筋がうまく使えないのである。腕立て伏せで中心に鍛えられる筋肉もやはり大胸筋であるが、腕立て伏せでは地面に着いている両手のひらら両つま先までの体を安定させて、支えなければならないのである。


photo1



■今までのコアトレーニング

日本でもアメリカでもメディアを探ってみると、コアトレーニング = バランストレーニングという解釈をしている場合が多い。では、“バランス”とは、どうすれば鍛えられるのあろうか。最も多い回答がエキソサイズボールのような不安定なものに乗り、コアの筋肉をトレーニングするというものである。では一体、コアとはどの部分を指すのだろうか。ほとんどのメディアは体幹の深層部をコアと考えている。しかし、深層部と言いながら、鍛える筋肉は腹部では腹直筋と外腹斜筋を、背部では挙棘筋を挙げている事が非常に多い。コアの強化に関して、これも広い意味では間違いではないが、コアを追求し、カナダ、オーストラリアでの最近の文献など(Spinal Stabilization by Rick Jemmett, B.Sc.,など)を見ると、大きな検討違いに気付く。



■バランスは安定した背骨から

1997年以降の最近の研究(Hodges&Richardson等)では、“コア”とは、腹横筋、骨盤底筋、多裂筋、そして、横隔膜に囲まれた部分(Photo2)を指すと考えている。これら4筋肉の適時、的確な収縮により、背骨のコルセットとなり、あらゆる人体の運動は安定するのである。多くの人々はボールの上で曲芸のようなトレーニングをし、また、腹直筋などの力をだす大きな筋肉にばかり着目しがちである。ボール上でのトレーニングも時には必要だが、 “コア”のトレーニングとは体幹の深層部の筋肉を活性化させ、発達させる事により背骨の安定を作り出し、手の先から足先まで一体化して体を使えるようにすることである。バランスは安定した背骨が作り出すものであり、バランスをよくするためには背骨をまず安定させなければならないという事なのだ。


photo2



■日本人が世界で勝つためには

世界で勝つためにはミュンヘンオリンピックで金メダル取った男子バレーボールのように、そのスポーツににあった独自のトレーニングを作り上げる事も大切である。また、体格的に小柄な日本人選手が世界で勝つためには、持って生まれた体を充分に使い切ることが不可欠となる。体を隅々まで効率よく使い切るためには、上肢と下肢を繋ぐ体幹を鍛える事により、手の先からつま先まで一体化して使うことを可能にするコアスタビライゼーションを習得する必要がある。丈夫なビルを建てる時には基礎工事をしっかりとするように、人体も“コア”をしっかり作り上げる事が全ての基本となるであろう。

稲葉 晃子

次号はコアスタビライゼーションの必要性に関して体幹を3層に分けた解剖学的な解説を展開する。



【目次】
1.コアエクササイズとの出会い
2.解剖学的な解説
3.実践コアスタビライゼーション(前編)
4.実践コアスタビライゼーション(後編)
5.コアスタビライゼーションと腰痛
6.コアスタビライゼーションとピラティス
7.腰痛緩和のためのエクササイズ
8.ソフトボールのためのコアスタビライゼーション
9.バスケットボールのためのコアスタビライゼーション
10.南カリフォルニアのトレーニング

■お断り:これは「トレーニングジャーナル」2003年10月号から10回にわたって連載された論文を著者(稲葉晃子氏)および出版社(ブックハウス・エイチディ)の許諾を得て転載するものです。




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