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10.南カリフォルニアのトレーニング

【目次】
1.コアエクササイズとの出会い
2.解剖学的な解説
3.実践コアスタビライゼーション(前編)
4.実践コアスタビライゼーション(後編)
5.コアスタビライゼーションと腰痛
6.コアスタビライゼーションとピラティス
7.腰痛緩和のためのエクササイズ
8.ソフトボールのためのコアスタビライゼーション
9.バスケットボールのためのコアスタビライゼーション
10.南カリフォルニアのトレーニング

■お断り:これは「トレーニングジャーナル」2003年10月号から10回にわたって連載された論文を著者(稲葉晃子氏)および出版社(ブックハウス・エイチディ)の許諾を得て転載するものです。



USCのトレーニング(後編)

 前号で紹介したUSCの春季トレーニングセッションに再び訪問し、今回は実際にUSCのフットボール選手と女子バレーボール選手のコンディショニングを見学させてもらった。この日は金曜日であり、先月号で紹介したシーズンオフのメニュー通りに行われていた。Carlisle氏(前号で紹介)が言われたとおり、ウォームアップのあと最初に行われるのは全ての運動の基礎となるコアトレーニングである。この日のメインコアトレーニングはコアボード(Photo1)を利用したものであり、それとメディスンボールも使用していた。    

 ここで、注目すべきことは“Explosive”という言葉である。日本語の意味は“爆発的な”ということなのだが、この“Explosive”がUSCではよく使われている。日本でもメディスンボールを体幹のトレーニングとして使うところが多いが、たいていの場合、二人組みでメディスンボールを何回何セットか投げあうという方法が取られる。当然、選手の筋力、運動レベルにも関係するとは思われるが、投げるボールの質よりも回数を重視している場合が多い。この日がUSCのフットボールのコンディショニングでPower Warm-up(先月号の表2参照)ということもあってなのか、どれだけ遠くへ投げられるかということに重点を置いているように感じられた。投げた回数は一人当たり5回程度で、明らかに回数よりもボールの投げる質を重視しているのである。フットボールというスポーツの性質上、回数よりも爆発的な瞬発力が何よりも重要であるということに関係するのであろう。必然的にコーチたちの掛け声は“Explosive”で、何度も選手に号令をかける。

 フィールドでの小一時間ほどのウォームアップの後にウエイトトレーニングルームに移動し、ウエイトトレーニングを始める。この日は次の週の体力テストに備え、軽めのウエイトで行うということであった。この体力テストなのだが、最大筋力測定はこれには含まれておらず、垂直とびや、立ち幅跳びといった瞬発力を中心に測定するものである。USCでは体力測定や最大筋力測定はこのオフシーズンに年一度しか行わないという。理由はもし、体力テスト、最大筋力テストを頻繁に行えば、故障のリスクが高くなるからであるとCarlisle氏は言う。体力測定は良しとしても、最大筋力を測定しなければ、ウエイトトレーニングで負荷をどのように操作するのだろうか。Carlisle氏の話では、個人の能力に開きはあるが、長年のUSCのデータからオフシーズンにおいては、3週間で5%ずつ負荷を重くしてゆく。この5%が増加率の平均値で、それに従い、3週間ごとに負荷を上げて行くのだそうだ。

 次に女子バレーボールチームのコンディショニングが始まったので、そちらの方に移動した。まず地下の廊下をランニングすることから始まった。その後すぐに体幹のトレーニングへと移行する。この日のメニューは主にメディスンボールを利用し、かなり多くの種類のトレーニングをこなしている(Photo2)。これらは前回訪問した時に紹介されたコアトレーニングのほんの一部分である。殆どの種目が動的な運動になっているが、もちろん最初は静的なフロントブリッジのようなものから行われる。そして、徐々に難易度の高い動的な運動へと移行される。USCでのコアトレーニングを私流に言えば、第三段階で腹横筋の収縮が意識しないでも、その必要性に応じて十分に収縮できると仮定されて行われている。もし、腰痛などの症状が出るようであれば、直ちに大学付属の理学療法施設に送られ、USCののお家芸とも言えるコアスタビライゼーションを行える体制が整えられている。

 前述のフットボール選手たちのコアトレーニングに比べ、女子バレーボール選手のコアトレーニングは“Explosive”というよりも“Quickness”という感じがする。というのは彼女たちを指導しているコンディショニングコーチは、常にストップウォッチで時間を計っている。素早い動きを意識してなのだろう。

 体幹のトレーニングの次に“Quick Foot”と呼ばれる敏捷性を考慮したメタルでできた高さ20cmほどの台の上で10秒間足をすばやく動かすトレーニングに移る(Photo3)。2人に1台で、交互に行う。ここでも依然、コンディショニングコーチは常にストップウオッチで時間を計っている。見ていてすがすがしいくらいにきびきびとしている。これが10分程度で終了した後にウエイトトレーニングに入っていく。始まってから一度も休憩もなく、ドリンクもこの時点まで口にしていない。

 ウエイトトレーニングは全て二人組みでフリーウエイトのみである。フリーウエイトはコアの強化を考えると、これほどコアを安定させ、強化できる方法はない。USCの女子バレーボール選手のウエイトトレーニングは、基本的にスクワット、スナッチやクリーンのようなものを少しアレンジしてウエイトを肩に担いだままジャンプするといった形が多い (photo4.5)。ウエイトと同時にプライオメトリックを行っているようだ。また、プロプリオセプションを意識したものか、ランジをアレンジした片足立ちになるものもある(Photo6)。

これはかなり体幹が安定し、強い筋肉で支えていなければできないものである。

 バレーボール選手のウエイトトレーニングを見て気付いたことが3つある。一つ目はベンチプレスがないこと。更に言えば、背中を安定させた状態のウエイトトレーニングが無く、全て立位での運動である。二つ目は単一関節のウエイトトレーニングが全くないということ。バレーボール選手のスパイク時のスナップに必要だと言われて、よく行なわれるリストカールなどというものは行われていないのである。全て足の指先から全身の関節を使うもののみウエイトトレーニングとして採用されている。三つ目は12人の選手中ウエイトリフティングベルトを使用していたのは僅かに一名であったことだ。

スナッチ、クリーンを50kg程度の負荷で行っているのだから、女子選手としては重いものを使用している。それにも関わらず、ウエイトベルト無しで行っているのであった。

 これら3つの点はCarlisle氏の体幹を中心とし、全身で行うトレーニングが重要であると言う理論に見事に当てはまる。体幹がしっかりしていれば、ベルトも必要ではないし、運動の本質からすると、全身や全身の間接を使わない運動はあまり重要でないことになる。もちろん、USCにもベンチプレスの記録保持者ということで、名前が壁に掲げられている。しかし、これはさほど重要なことではないとCarlisle氏は言う。運動選手にとって人と競うということでモチベーションを高められる時がある。そういう時にベンチプレス大会といったものは非常に効果的だそうである。しかし、運動選手が本気で取り組まなければならないトレーニングはコアなのだ。そこから種々の運動が始まるのである。USCのトレーニングの見学を終えて、Carlisle氏が誇るコアトレーニングはその種類の多さ、量、質のどれをとっても、USCの強さを証明するの値するものであった。また、そのコアトレーニングから発するウエイトトレーニングも運動種目それぞれの本質を捉え、実に実践的である。



FAQ

連載のまとめとして、まず連載1回目から通じ、また、私のセミナーでよく質問されることに関して答えたいと思う。



[腹横筋、多裂筋の評価方法]

 連載第3回、5回で号でそれぞれ、腹横筋は腹部、多裂筋は背部に触れることで、収縮の確認が出来ると述べた。ここでは、視覚的にそれぞれの収縮の評価法を紹介する。

 先ず、多裂筋の収縮は外部から視覚的に判断することは非常に難しい。しかし、腹横筋の収縮は視覚的に判断することができる。図1のように四つんばいの状態で腹部をリラックスさせ、その腹部に沿ってベルトを巻く。次に呼吸法を使い、息を口から吐きながらへそを背骨の方に引き寄せてゆく。このときに腹部とベルト間に隙間ができる。これは本人でも筋収縮を確かめることができるので効果的である。注意点としては、息を吸いながら行うと腹直筋や外腹斜筋が関与するので、気を付てもらいたい。また、体を丸くして行うと、腹直筋が関与するので注意すること。

 次に器具を使い、視覚的に評価する方法を紹介する。多くの研究者は筋電図を使い、腹横筋と多裂筋の筋収縮を測定することがある。この方法が最も正確に測定できる。次に、連載3回目に登場したPressure Biofeedback Unit(Photo7)を利用することも考えられる。この装置はアメリカ、カナダ、オーストラリアの理学療法士たちが率先して利用している。上記二つの装置は、指導を受ける側も数値を見ることにより、視覚的に筋の収縮を確認することができる。しかしながら、どちらともに一般には普及してない。

 そこで、より実践的に測定でき、主観的にも客観的にも腹横筋と多裂筋の評価する方法はないのかということになる。上記のPressure Biofeedback Unitの使用法に似ているのだが、血圧を測定する時に使用する圧迫帯(Photo8)を用い、体

幹を上部と下部に分けて、その安定度を測定する(資料1を参照)。これは厳密に言うと、腹横筋、多裂筋を孤立させて、その筋力を測定しているわけではない。しかし、連載の途中で説明したが、コアとは腹横筋、多裂筋、横隔膜、骨盤底筋に囲まれたところを指し、それぞれの筋肉は連動している。その4つの筋肉は“コア”として連動し、運動時に背骨を安定させる働きをする。その為、4つの筋肉を厳密に一つ一つの筋肉に孤立させて測定する必要はないと考えられる。例えば、Cybexなどを利用し、陸上選手の脚筋力を測定する場合、大腿部の主となる大腿直筋だけを孤立させて測定は行わない。大腿四頭筋は筋肉郡として一まとめにされて測定される。それと同様に、多くの場合、腹横筋、又は多裂筋だけ測定し、評価するというのは実践的ではない。ということから、資料1の手順で“コア”として評価した方が好ましいと思われる。



[腹横筋収縮は誰でもできている]

 上記の評価法の質問と同じだと思われるのだが、腹横筋の収縮が“できている”かどうかの見極めについてである。この質問に関しては、脊椎、脳などへ損傷の無い場合、多くの人は少なからず、腹横筋の収縮は“できている”のである。もし、腹横筋の収縮ができなかったら、人間の動作はどうなるか考えて頂きたい。腹横筋の収縮ができなければ、まず歩くことは不可能だろう。腹横筋の収縮により、腹空圧が高められないので、25個の背骨は常にぐらぐらした不安定な状態で、少しの重心の移動にも対応できずに転倒してしまうであろう。このことから、ポイントは単に腹横筋の収縮が弱い、若しくは遅れるために多くの弊害が起こるのである。しかしながら、多裂筋はいったん腰痛を起こしてしまうと、その筋収縮が出来なくなることがあるので、多裂筋に関しては筋収縮が“できない”ことも考えられる。



[外層トレーニングへの移行期]

 これもよく質問されるのだが、腹横筋収縮が上手くできるようになったあと、いつから外層のトレーニングに移行できるかということである。もう一度連載の最初から通して読んでもらいたいのだが、中間層(腹横筋、多裂筋)のトレーニングは殆ど最近のトレーニングではゼロ状態であり、外層のトレーニングが中心に行われている場合が多い。その場合、少し外層中心のトレーニングの割合を減らし、腹横筋の収縮を意識しながらできるトレーニングの量を増やすのである。外層のトレーニングをゼロにするのではない。外層へのトレーニング移行期とするよりも、3層をバランスよくコーディネートできるトレーニングに移行することが正しい表現である。

 では、いつから3層への移行が可能かということになる。これは個人差があるが、腰痛症の経歴が全く無い場合、かなり早くから3層のトレーニング始められる。しかし、腰痛の経歴がある場合は、中間層のトレーニング、深層のトレーニングを十分に行う必要がある。いずれにしても第1段階、第2段階と進み、最終的には腹横筋収縮の意識なくして十分な収縮ができることを目指す。あくまでも、意識した腹横筋の収縮がゴールではないことを確認してもらいたい。3層バランスよくコーディネートしなければ、スムーズに運動、動作を行えない。体の中心にあるコアが上手く使えなければ、当然、故障は起きるだろうし、パフォーマンスの向上には繋がらないのである。

 間違って解釈されやすいのだが、それぞれの層を分別して紹介してはいるが、コアスタビライゼーションはそれぞれの層を孤立させることが目的ではない。便宜上、理解を得るために、本誌では体幹を3層に分けて解説してきた。体を部位で考えるトレーニング、リハビリテーションは体のバランスを崩しやすい。最近のウエイトトレーニングにしても、どこどこの部位の強化と説明されているのを、日米問わずよく目にする。人間の動作、運動のどれひとつをとっても単一関節、単一部位で行われることは無い。世界レベルへのパフォーマンスの向上を目指すためには、体を部位ではなく、全身を一つとして行うトレーニングが必要である。



[コアトレーニングとコアスタビライゼーションの違い]

 あちらこちらでよく目にするようになったコアトレーニングと、本誌で紹介しているコアスタビライゼーションの違いをよく訊かれる。これにはアメリカでも大きな差異はない。同じことでも研究者により、著者によりその表現方法は違う。同じようなものとしてSpinal Stabilization, Pelvic Stabilization等、様々である。多くの場合、理学療法の手段としてはコアスタビライゼーション、運動選手のトレーニングにはコアトレーニングとしている。そこで本誌では、1段階では呼吸法を使って意識して腹横筋を収縮させ、2段階では呼吸法無しで腹横筋の収縮を維持させ、3段階では意識せずに、必要に応じて十分に腹横筋を収縮させられる、と定義したのある。その3段階以上のトレーニングを、体幹の総合トレーニングとしてコアトレーニングがあると考えれば理解しやすいのではないだろうか。



世界で勝てる選手になって欲しい

 コアスタビライゼーションのトレーニング項目は決して新しくはないが、それでも科学的にはまだまだデータが十分ではない。しかし、コアスタビライゼーションはデータを超えるさまざまなポジティブな効果を生み出していることも事実である。今後はこれらの結果を裏付ける十分なデータ収集されることにより、コアスタビライゼーションを学術的にも実践的にも体系化されることを願う。

 連載第1回に日本人選手が世界で勝つために、とした項に次のように述べた。これを敢てもう一度繰り返し、連載の締めとしたい。体格的に小柄な日本人選手が世界で勝つためには、手の先から足のつま先まで一体化して使うことを可能にするコアスタビライゼーションにより、もって生まれた体を十分に使いきることが必要不可欠である。





参考文献

William E. Prentice PhD, PT, ATC, and Michael L. Voight, DHSc, PT. OCS, SCS, ATC, Techniques in musculoskeletal rehabilitation. McGraw-Hill,





【目次】
1.コアエクササイズとの出会い
2.解剖学的な解説
3.実践コアスタビライゼーション(前編)
4.実践コアスタビライゼーション(後編)
5.コアスタビライゼーションと腰痛
6.コアスタビライゼーションとピラティス
7.腰痛緩和のためのエクササイズ
8.ソフトボールのためのコアスタビライゼーション
9.バスケットボールのためのコアスタビライゼーション
10.南カリフォルニアのトレーニング

■お断り:これは「トレーニングジャーナル」2003年10月号から10回にわたって連載された論文を著者(稲葉晃子氏)および出版社(ブックハウス・エイチディ)の許諾を得て転載するものです。




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